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静岡の要素

31回目を迎える大道芸ワールドカップin静岡

【インタビュー】大道芸ワールドカップ実行委員会 事務局長 大長克哉さん

「大道芸ワールドカップは1992年に第一回目が開催されて今年で31回目の開催となります。第1回目開催の頃はバブル末期ということもあり、時代の勢いとイベントに関わる人の情熱と若さで始まったと聞いています。実は当時の私はイベントを取材する側におりまして、大道芸のワールドカップとはまた景気のいい取り組みだなあと感じたのを覚えています。

しかしこの30数年間は実に様々なことがあり、このイベントも無くなる瀬戸際に立たされたこともありました。特にコロナの間は酷く、イベントは開催できない上にその前の良くない流れを引きずったこともあって、言わば自然解散みたいな状況に追い込まれていました。私がこの事務所に初めて足を踏み入れた時はまるでもぬけの殻のような状態で、最初は資料もデータもどこにあるのかわからなかったですね。」

コロナ明けにリスタートして開催した2022年から

「コロナ明けをリスタートとして私も事務局に入って新たにスタートしたのですが、そこから本当に悪戦苦闘の連続で…コロナ明け一発目は本当に必死すぎて全く生きた心地がしない感じでしたね。準備期間はなんと半年、今でもよくやれたなって(笑)それでも多くの方に協力していただいて、規模は小さいながらもどうにかやれたなという結果でした。

今年はそこから3回目となり、私たちもやり方や進め方も少しずつ分かってきましたので、ようやく先に向けた取り組みというのを始めることができようとしています。実行委員会もしっかりと組織化して機能を明確化。『ワールドカップ』と銘打っているわけですから海外からのアーティスト招致にも意識を向けています。11月の静岡が大道芸というエンターテイメントで彩られるように目指していきます。」

「ああ少しずつだけど戻ってきたのかな」と思えるようになってきた

「この大道芸ワールドカップはこの30年間で日本国内の大道芸イベントの中でも突出した存在として知られてきました。それは先人が努力し培ってきたことであって、本当に素晴らしいことだと思います。
これをさらに発展させるビジョンをしっかりと作り、一歩一歩進んでいけたら嬉しいですね。

また何より感じるのは地域の皆さんからの応援や支援の声が如実に増えてきて「ああ少しずつだけど戻ってきたのかな」と思えるようになってきたことです。
さらに毎回感激するのはイベントを下支えしてくれる約100名の実行委員の皆さんの力。全員ボランティアですがアクシデントが起こりがちな現場で皆さんがその都度考えながら、また連携しながら的確なサポートを行動してくださるのです。
観客の皆さんが楽しめるよう、アーティストの方々をフォローしつつタイムスケジュール管理から演出・準備・片付けまでを行ってくれる。これは本当にすごいことですし、30年以上の歴史を経た大道芸ワールドカップだからこそできる取り組みだなと思います。

今年も地域の皆様に喜んでいただける大道芸ワールドカップを皆様にお届けできるよう運営スタッフもアーティストも一丸となって頑張りますので、どうぞご期待ください。」


この風物詩は自然と起きているものではない。多くの人に支えられながら、起こしているものである。だからと言ってその苦労を会期中に見せるものではない。
祭りや花火と同じ。お客様の笑顔で報われる。
今年も「やっているね」と楽しく大道芸を見ながら、少しそこに思いを馳せられたら、このイベントはさらに深化していくのだろうと思います。

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